今年の夏は冷夏でしたが、それでも身体はどっぷりと疲れをため込んだようでございます。妄想ライター、ふと現実社会から逃れるように車を走らせ、向かうは南魚沼。
本日は「自然に癒され夏の疲れを癒したい、40代かしまし3人ドライブ(妄想)」。 お姉さま世代に人気の癒されスポットを巡ります。
関越道塩沢石打ICからすぐの野の花館へ。
季節の花をモデルに外山康雄氏の描く可憐な花々。「私たちにもこんな頃があったのよね~」なんて少しおしゃべりしているとのどが渇く。野の花館で珈琲などをご馳走になり美しい花と古民家の高い天井を見上げつつ、壁に飾られた季節の花々の絵と実在のモデルとなる鉢植え等の花を愛でる。

そうこうしているうちに、「蚊に食われた(刺された)跡がなかなか消えなくて困ったわ・・・」と、A子。 「若いころは夏好きだったけど、最近疲れちゃうのよね~」と、B子。
「そうよね、汗はかくのにお肌も乾燥するし・・・」と私。
この年代が集まるとどうも身体の不調自慢が始まる。 そんなときにふと見つけたのがこれ、薄荷油。塩沢では昔から親しまれている薄荷油。
・肩こり、筋肉疲労
・虫除け
・芳香剤
・生け花の切り口につけるとお花が長生き
・たばこ・玄関・生ごみ・ペットなど気になる臭いに
・たばこのフィルターに少量つけてメンソール
・のどの不快感に
・口臭予防
・眠気覚まし
・偏頭痛
・花粉の季節にマスクに少量
・ほてった身体を冷やします
・カラスが嫌がります
・シールはがしに
・ガラスや鏡がピカピカに
・アロマテラピーに
などなど、いろいろ身体にも良さそう。 シールはがしとかかなりマニアックだけれど。 ということで1瓶購入。

実はこの薄荷油、牧之通りの青木酒造の前身である平野屋が蒸留販売していたとかで、牧之通りにも行ってみることに。
薄荷油のリーフレットより抜粋
薄荷油が塩沢で作られ始めたのは天保期(1830~1843)頃で、陰干しした薄荷草を冬に蒸溜器で水と薄荷油の混合液を抽出し、その水と油を分離するために零度近くまで冷やす必要があり、これに雪が使われていました。平野屋(現『鶴齢』醸造元 青木酒造)でも蒸溜販売され、頭痛や足の疲れなどに効くと江戸でも大評判になり、海外にも輸出されていました。 右下の図は彫刻師の小林源太郎が作った3丈(約10m)の立看板のポスターです。この立て看板は三国街道沿いの平野屋前に建てられ、塩沢薄荷を象徴とする名物になりました。その薄荷油を現代版で復刻致しました。
薄荷が目的で行ったにもかかわらず、青木酒造といえばお酒よね。と無理やり見学の交渉を始めるA子。 が、ドライブ旅なのでみんなで諦めましょうと売店を見学して移動することにして車に戻る。


「さ~、お昼は何を食べますか。 この後どうする?」と3人で相談しながら向かうは十日町。10月にはそば祭りが開催され、そばの食べ歩きや大食い大会などもある蕎麦処。 蕎麦の名店が並び、それぞれ好みの蕎麦がある。
話し合いの結果、天丼やカツ丼など蕎麦屋に定番のメニューがなく、そばと天ぷらで勝負をしている由屋へ。人気店なのでお昼時間を少し外していくのがポイント。
食いしん坊な女性3人は、大へぎそばと天ぷら2人前を注文。
(余ったら持ち帰りもできる裏技もあり) そばが車でに漬物と小鉢がでるのもうれしいおもてなし。 海老天ぷらには紫蘇がまいてあり爽やかに頂けます。

「さてさて、お腹いっぱいになったし、帰るか。」とB子。
「いやいや、今日は日ごろのストレスを晴らしに来たんだよね。山道ドライブで気分晴れた?」と私。
「せっかくだからさ、景色いいところ行こうよ。ちょっと涼しいところ」とA子。
向かったのは、竜ケ窪。左奧の小高い丘にある水呑処と、お札処、龍王大権現へお参りし遊歩道へ。名水百選にも選ばれるその池には1日約43,000tの湧き水があり、1日1回池全体の水が入れ替わるのだとか。龍神伝説も多く残されているようだが、本当に神秘的なその色と佇まい、包み込む空気感。疲れて澱んだ気持ちも美しい池に洗い流されたよう。夏に水辺ってやっぱり気持ちいい。


「実はさ、もう一か所 いい感じの水辺あるんだけど」 とさっきまで帰るつもりだったB子が乗ってきた。
「え? ドコどこ?」 連れられてきたのは美人林。 えっと、美しい林だよね。
「林の中、歩いたことある?」得意顔のB子が続ける。
「入口までかな・・・。緑がとてもきれいだった。」A子とわたし。
「ついてきて!」 まるでトトロのメイちゃんのように張り切って道を先導するB子。トロトロついていく私たち。
私が知っていたはずの美しいブナ林の奥にこれまた幻想的な池が姿を見せる。
うわ~、美しい・・・。
しばし佇んでいると、「パチッ」 と足をたたく音が。
「く、食われた!(噛まれた)」とB子。
さっき買ってきた薄荷油をつけてあげる。 虫刺されにいいらしいよ。

せっかくさ、水に癒されたんだからそのまま温泉入っていかない? コーヒー色した温泉も透明な温泉も絶景温泉もこの周辺にたくさんあって選べるよ。新潟は温泉処だからね。 と、温泉に立ち寄ることに。
数多い立ち寄り温泉から今回選んだのは、まつだいの雲海。緑の山々に囲まれながら温泉に入る。さっきみた竜ケ窪にたたずむ伝説に出てきそうな少女の気分で。は~、気持ちいい。
夏疲れの肌も心も元気にそしてしっとり潤ったような、夏の新潟ドライブでした。