佐渡を含む、新潟には“お祭り”がとにかく多いです。新潟県は神社数が日本一ということもあり、お祭りが多いのも納得。そして中越地方には、奇祭と呼ばれるお祭りも数多く守り続けられています。今回はそのひとつ、松之山温泉で行われる奇祭“むこ投げ・すみ塗り”を訪れました。

今日はよいお天気。松之山に向かう途中の南魚沼で柿の木に積もった雪を撮影し、今回のニイガタドライブスタート!
むこ投げ・すみ塗りは午後からなのでまずは腹ごしらえ。
こちらオープン以来、2か月に1度は通っている農家レストランそばの郷Abuzaka。お蕎麦はオーダーしてから人数分が運ばれてきます

農家レストランといっても地元のおばあちゃん達だけで作る家庭料理食堂と異なり、ミシュラン一つ星のお店で懐石料理を学んだ十日町出身の女性が腕を振るう丁寧で身体によい和食が食べ放題で提供されています。


*メインのお蕎麦は食べ放題ではありません。
松之山温泉へドライブ。温泉街を抜け、会場となる薬師堂に行く前に、湯守処地炉(Jiro)に人だかりがあるので覗いてみると、これから雪の中に投げられるお婿さんを囲むように松之山温泉の法被を着た男性陣がずらり。世話役の方が『今から20分、たっぷり酒を飲んで身体を温めて柔らかくしておいてください。ケガしないように!』とのこと。 身を清めたり、投げられる恐怖心をお酒で打ち砕くのだなと思いました。

場所とりのために、薬師堂の近くへ。

坂になっているので、自分の居場所を作るために、雪を蹴ったり踏んだりして足場を固めます。そうこうしているうちに、騎馬戦のときのように担がれたお婿さんが足元の悪い雪道をどんどん上ってきます。担いでいる人も苦しそう。

今年のカップルは3組。そのうち一組は外国人カップルでした。

そもそも、むこ投げとはどういうお祭りなのでしょう。
十日町市観光協会HPによると、
前年に結婚した初婿を、薬師堂の高さ5メートル程ある境内から投げ落とす行事。今では、結婚の祝福と夫婦の絆をかたくなるよう願い行われているが、由来は、略奪結婚の名残とも、ムラの娘をとられた腹いせが形を変え残ったものとも言われている。毎年11月末日までむこ投げ出場者を募集。
すみ塗りは、「賽の神」という神事(別名・どんど焼きとも言う)の灰と雪を混ぜ、お互いの顔に「おめでとう」と言いながら塗りあう、無病息災・家業繁栄を願う小正月行事。温泉があるからこそ続いてきた行事であるといえる。
http://www.tokamachishikankou.jp/…/janua…/mukonage_suminuri/
ということです。
さあ、いよいよお婿さんが雪の中へ投げられます。

ゴロゴロッ・・・っと花嫁さんのところまで転がってくるかと思いきや、途中で雪に埋もれるお婿さん。

投げた人も一緒に雪の中に転がり込む様子はなかなか面白かったです。実際にやっている人たちも本当に楽しそう。

『怖くなかった?大丈夫? 痛くない?』そんな会話をしているのでしょうか。
二人は雪を払いながら、あるいて賽の神のほうへ。
お神酒が配られ粛々と神事が行われ、そのあと、みかん投げがあり、『福』と書かれたみかんをゲットした人は福袋に交換してもらっていました。

高々と積まれた賽の神に火がくべられると辺りは一気に温かく、煙が空に広がりながらあっという間に燃えていきました。この灰と雪を混ぜて、すみ塗りのスタートです。 福のおすそわけということで塗られた人は今年1年間良いことがあると言われ、みんな笑いながら顔を差し出します。

先ほどの外国人カップルを発見。若干、お嫁さんが嫌がっているようにも見えますが、カメラマンさんたちの絶好のモデルになっていました。
本当におめでとうございました!!

もちろん、私も塗って頂きました♪
『えっと・・・この顔のまま、帰るんだっけ?』
猛者たちは、雪ですみをぬぐっていました。来るとき通ってきた地炉の前にある足湯の足湯に入る前のキレイな温泉を桶に入れたスタッフの方が、どうぞ。と温泉を差し出してくれました。 ありがたい。

ちょっぴり身体も冷えたので、温泉へ。
ひなの宿ちとせ では日帰り入浴もやっています(入浴時間に注意)。
http://www.chitose.tv/onsen/
このお祭りはまた来年♪ になりますが、この後南魚沼・浦佐では3月3日に“浦佐毘沙門堂裸押合大祭”という奇祭が行われます。水行をした上半身裸の男衆が30kgもあるろうそくをもち、『さんよ~さんよ』の掛け声とともに練り歩く姿は圧巻です。そちらをめがけて、夜のニイガタドライブはいかがでしょうか。
