中越遊ぶ・見る学ぶ・体験する食べる・買う

Spring has come ~春の訪れ~(後編)

【E17】関越自動車道 大和SIC
『新潟発R』編集部 masha
『新潟発R』編集部 masha

前編より続く)

「魚沼の里」から国道をドライブすること約20分。「三国街道 塩沢宿の牧之通り」に到着。「牧之通り」は、かつて三国街道の宿場町として栄えた歴史のある通り。雪深い越後の生活を記した江戸時代の大ベストセラー『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』の著者、鈴木牧之の名にちなんで名付けられたそうです。

伝統的な雪国建築を生かした町並みの形成を目指し、建築物の外観や意匠を統一。さらに雁木を設けるなど、雪国特有の町並みと魅力を復元。電線類の地中化などにより、美しい景観を実現しています。平成23年度には、都市景観大賞「都市空間部門大賞(国土交通大臣賞)」、平成27年には「アジア都市景観賞」を受賞するなど、観光地としても高く評価され、全国からもたくさんの観光客が訪れます。郵便局や金融機関、薬局など、雁木と切妻屋根が続く雪国ならではの町並みは、江戸時代の宿場町の風情を余すことなく堪能でき、江戸時代にタイムスリップしたかのよう。通りには降雪量を記したユニークなサインもありました。

まずはこの通りの名前でもある「鈴木牧之記念館」にお邪魔しました。明和7年(1770)塩沢の商家に生まれ、父の影響で俳諧、書画、文筆も行った鈴木牧之。江戸時代に雪国の暮らしを伝えるために、40年という歳月をかけて出版した『北越雪譜』は江戸時代のベストセラーに。

館内には初版本をはじめとした多くの文献や、ユネスコ無形文化遺産に登録された越後上布の製作工程の道具、雪に関する資料が展示されています。牧之のもう一つの代表作でもある秋山郷を紹介した『秋山記行』のコーナーも必見。牧之が歩いた秋山郷のルートと内容が書かれた「秋山紀行道中すごろく」の用紙も無料でもらえますよ。当時、本の出版部数は限られ高価だったため、貸本屋から借りて読むのが一般的だったとか。「北越雪譜」を置かない貸本屋は客が来ないというほど『北越雪譜』は大人気だったという。恐るべし、鈴木牧之。

続いては牧之通りへ。雁木にぶら下がる桜玉が春の訪れを告げています。しばらく散策して和風・民芸調の外観が印象的な「越光玄米蔵」へ。

こちらでは、新たな名物となっている、地元の銘醸「青木酒造」が誇る「鶴齢」の大吟醸酒粕を30%使用した「酒粕ソフトくり~む」(320円)をいただけます。芳醇な酒粕の香りが漂い、甘みとうま味が口の中に広がります。口解け滑らかな逸品です。甘さ控えめ、後味もスッキリでした。大人向けのスイーツ。ジェラートも7種類(各300円)、魚沼の名物おやつ「あんぼ」(1個220円)や「甘酒」(200円)もあります。店内で食べてもテイクアウトをして食べ歩きをしながらの散策も楽しいですね。

「酒粕ソフトくり~む」の後は、その地酒を醸す「青木酒造」へ。
昨年、創業300周年を迎え、「淡麗辛口」が多い新潟の酒の中で、酒米本来の旨みを残した「淡麗旨口」の酒造りが特徴。代表銘柄は言わずと知れた「鶴齢(かくれい)」で、「鶴齢 純米吟醸」は新潟で生まれた酒米「越淡麗」を使用。私も大好きな銘柄のひとつです。青木酒造は県内でもっとも多く「越淡麗」を使っているんだそうです。

蔵見学はできませんが、売店では商品やグッズなどを購入することができます。お猪口、コースター、Tシャツ、保冷バッグ、手ぬぐい、さらにはゴルフボールまでありました。

「鶴齢」に次ぐ銘酒「雪男」もこの『北越雪譜』に登場する毛むくじゃらの異獣がモデルに。ドライバーのため、「鶴齢ユキオトコサイダー」(270円)をいただきました。こちらも「鶴齢」の仕込み水を使用した天然水仕込み。甘さ控えめで炭酸が少し強めのサイダー。ちょっと大人の味わい。雪男焼酎と割っても美味しいとのことです。

さらに目を引くのが、店内と外の看板に施された彫刻の数々。石川雲蝶とともに魚沼の各地にも滞在し制作した小林源太郎の作品。かつて店舗前に掲げてあった看板の一部を設置したものだとか。間近に見ることができるこちらも見逃せません。

旅の最後は、「青木酒造」がプロデュースする「OHGIYA CAFE」で名物スイーツをいただきました。

オーダーしたのは、「バニラハチミツワッフル」(630円)、「ブレンドコーヒー」(390円)。こちらのワッフルは、オリジナリティに溢れています。国産の小麦粉に塩沢産の米粉と酒米粉、豆乳をブレンド。バターを使わずにサクッと焼き上げたヘルシーな逸品。サクサク感にプラスしてもっちり感も兼ね備えていて、何個でもいけそう。バニラアイスとホイップクリームも上質な味わいでした。ワッフルはダブルもあるので、次回はダブルをオーダーしようと決意。

建物は2つの蔵を移築。中央で繋がるオシャレな店舗は、天井が高く開放感があり、居心地も抜群。長居をする人も多いというのも頷けます。これからの季節はテラス席も気持ちがいいはず。甘さを控えた塩味の「シオ・ザ・ワッフル」や、ランチも人気。ワッフルはテイクアウトも可能です。

店主は青木酒造社長の弟さんのイケメン&素敵な女性スタッフさん。二人とも物腰柔らかで人柄の良さが滲み出ています。残念ながら写真では登場していただけなかったので、現地でお話ししてみてくださいね。

今回、久しぶりに魚沼エリアへ行きました。みなさん温かく、素敵な笑顔で取材を受けてくださいました。そんな光景を目の当たりにし、かつて仕事で湯沢&魚沼エリアを担当していた時のことをふと思い出しました。
1日に10数件、取材しなければいけないことも多く、なかなかスケジュール通りに進まない際も、文句も言わずに笑顔で丁寧に迎えてくださった人々の顔が脳裏に蘇りました。新潟県民は優しい人が多いですが、なかでも魚沼の人たちは特にそれを感じます。自然に抱かれた里山でゆったり、のんびりと。そんな自然と優しい人々に癒された旅になりました。次回はいつ行こうかな。

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DRIVING COURSE 体験コース

  • 1日目
【E17】関越自動車道 大和SIC

約15分

魚沼の里

約20分

鈴木牧之記念館

徒歩約3分

越光玄米館

徒歩約5分

青木酒造売店

徒歩約1分

OHGIYA CAFE

約10分

【E17】関越自動車道 六日町IC
『新潟発R』編集部 masha
『新潟発R』編集部 masha

大のドライブ&グルメ&酒好き。新潟県内をくまなく取材してきた経験を生かし、とっておきのドライブコースをご紹介します。

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