じょんのび高柳 原風景の酒処を巡る

『新潟発R』編集部 高橋真理子
『新潟発R』編集部 高橋真理子

梅雨が明けると、新潟では貴重な爽やかな季節到来。

そんな時季におすすめなのが、柏崎市高柳。

鯖石(さばいし)川と黒姫山に抱かれた、棚田やかやぶき集落が点在するどこか懐かしい里山風景は「じょんのび高柳」のキャッチフレーズでもおなじみです。

www.jonnobi-takayanagi.jp

 

心もカラダも癒される地の、酒にまつわる人やモノを訪ねるドライブへ。

「地酒を一升瓶買いする~!」と意気込む酒友にドライバーをお願いし、出発!

 

柏崎ICから、鯖石川沿いの国道252号を走り、

最初の訪問地「石塚酒造」へ。www.himenoi.com

 

創業1912(大正元)年、代表銘柄は「姫の井」です。

石塚政子社長のお嬢さん田口亜希子さんと、

営業・製造担当の金澤要介さんが迎えてくれました。

金澤さんは5年前に異業種から転職し、新潟清酒学校を昨年卒業。

今季から、中心的な立場で酒造りを担っていきます。

 

まずは酒蔵見学。

今は仕込み期間ではないので、酒造りの各工程を説明していただきながら、各工程の現場を見学します。

仕込み蔵の扉に書かれた文字は先代の書。

「ずっと戸袋に入っていたので、最近この文字が見つかりました。しっかりとした甘みがあり、後味はすーっと切れる。『凛麗芳醇』はうちの酒にぴったりな言葉。蔵のコンセプトとして大切にしていきます」と金澤さん。

見学後は売店で試飲&買い物。

金澤さんイチオシの純米酒『さわがに』は、生原酒と、一度火入れの2種類。

生原酒の在庫は僅少ですが、酒蔵ではまだ販売しています。もち米四段仕込みの甘みと、フレッシュな吟醸香、きれいな後味がはまります。

 

酒の名前は、蔵の裏にある小川に多数生息するサワガニから命名。

見学後、裏へ行ってみると……。

いました~! 澄んだ水の中にサワガニを発見。

 

酒蔵の並びには、かつての精米所を利用した休憩・イベントスペース「酒の館」があり、昔の道具類の展示やオリジナルラベル作りもできます(有料)。

酒蔵脇の入り口から階段を上って数分のところに江戸時代の名園「貞観園」があります。向かう道の緑の美しさ、空気のおいしさも格別です。

次に向かったのは、道の駅「高柳じょんのび村」。

www.jon-nobi.com

 

宿泊施設「萬歳楽」内には、日帰り温泉や、敷地内で手作りする豆腐やがんもどき、どぶろくなどの特産品が並ぶ売店、レストランがあります。

代表取締役の永井基栄さんにご案内いただきました。

どぶろくは、宿泊者やレストランでの提供と、ここでのみ販売。貴重です。

ランチはレストランで、永井さんおすすめのじょんのび弁当と豆腐フライ定食。

ヘルシーでボリューム満点の料理に大満足。黒姫山を望むロケーションも最高です。

敷地内には貸別荘「ファームハウス」もあるので、泊まりで出かけるのもいいですね。

ラストは「門出かやぶきの里」で知られる門出(かどいで)地区にある「越後 門出和紙」へ。

www.kadoidewashi.com

 

代表の小林康生さんは、門出地区伝統の伊沢紙の5代目で、小国紙を学んだ後、1986(昭和61)年にふるさとの名「越後 門出和紙」を命名。

朝日酒造の「久保田」のラベルでもおなじみの和紙です。

 

現在65歳の小林さんは、「作る紙から、楮(こうぞ)がなりたい紙を育てる、という思いに変化してきました。文化の紙、風土の紙を育てる」と思いを語ります。

原料の楮は自家栽培、高知県産、中国の山東省産を使い、すべての紙に産地や漉き方、さらし方などを明示。購入する人がコストや使い方に合わせて選べるようにしています。

サンパウロのジャパンハウス天井などに使われている、金属と和紙を融合させたメッシュ和紙。

www.japanhouse.jp/saopaulo/ja/culture/page1031_00024.html

ジャパンハウスは2017年に外務省が始動した取り組みで、長年付き合いのある建築家の隈研吾さんから依頼があったそうです。

「金属と融合させることに後ろめたさは残っていますが、金属と和紙のコラボは大きな可能性を秘めていると思っています」と小林さん。

 

そしていよいよ、和紙漉き体験に挑戦。

漉き舟に水と原料とトロロアオイ(ネリ)を入れて竹の棒でよくかき回し、なじませてから、、紙漉きの道具(簀と桁)を使い、漉き上げ、台に重ねていきます。

 

乾燥し、約2日後に発送してもらえます。

体験は基本5人以上・1人1,000円ですが、人数や料金は事前に確認、相談を。

 

門出和紙から約30分車を走らせると、国道252号沿いに阿部酒造の小売部を発見。

www.abeshuzo.com

阿部酒造は5代目の阿部庄一社長と6代目の蔵元杜氏、阿部裕太さんが、「越乃男山」「あべ」の銘柄を製造。

店内には酒造りの昔の道具や、酒器などが並んでいます。

 

「酒屋さんで販売していただくため、小売部では一部商品のみを販売しています」と阿部社長。

自分の蔵のお酒をしっかりと消費者に伝えてくれる酒屋さんを大切にする。地酒蔵のあるべき姿が伝わってきました。

貴重な小売店限定の「あべの梅酒」は、柏崎土産におすすめです。

 

もっと時間を費やして楽しみたいところばかりだった高柳旅。次回への思いを馳せつつ、帰路につきました。ドライバーさん、お疲れ様でした。

 

後日、漉いた和紙が届きました! 心温まる和紙のお手紙とともに……。

ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

『新潟発R』編集部 高橋真理子
『新潟発R』編集部 高橋真理子
群馬県 出身

新潟在住歴20数年。

新潟の自然、食、酒、人を取材しながら、いまだに日々感激している新潟大ファン。

『新潟発R』10号「SADO魂」では祭りと振る舞い、人、食イベントをご紹介。

体験コース

DRIVING COURSE

  • 1日目
【E49】磐越自動車道 新潟中央IC

車で約50分

【E8】北陸自動車道 柏崎IC

車で約25分

石塚酒造

車で約4分

高柳じょんのび村

車で約8分

越後 門出和紙 高志の生紙工房

車で約30分

阿部酒造 小売部

車で約8分

【E8】北陸自動車道 柏崎IC