
このたびの台風被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
各地の1日も早い復旧をお祈りいたします。
今回のドライブは山形県境の岩船郡関川村。
清流荒川が流れ、山形県小国町までの約20kmに渡る荒川峡もみじラインは紅葉を堪能できるドライブルートです。

国道113号を一気に県境まで走り、「鷹の巣つり橋」へ。
吊り橋を渡った先には鷹の巣キャンプ場と、鷹の巣温泉があります。最近までこの橋を車が走っていたというから驚きです。
鷹の巣温泉には「鷹の巣館」と「四季の宿喜久屋」の2軒の宿があります。
鷹の巣つり橋から、こちらも絶景スポットとして知られる「丸山大橋」へ。

アーチの長さは118m。
全国市町村道にかかる橋の中で日本一の長さです。

橋の真ん中にはこんなコーナーも!
113号を戻り、まちなかを走る旧米沢街道沿いの「18世紀の街並みエリア」へ。
国道沿いにある道の駅「関川」からつながっているので、道の駅に車をとめて、散策。
テレビドラマ「蔵」のロケ地としても知られる大庄屋の「渡辺邸」は、3000坪の敷地に500坪の大邸宅と6つの蔵が並び、昭和29(1954)年に国重要文化財に指定。
5年前に、7年間の平成の大修理を終えました。
watanabetei.sakura.ne.jp

渡邉家保存会事務局長の井浦愼一郎さんに案内していただきました。

宮大工が施した粋な遊び。
床の鯉を見つけてみてください。
「渡辺邸が他の国重要文化財と大きく違うところは3つあります」と井浦さん。
米を積んだ荷車が複数列で渋滞したという広い土間、22〜23万枚の杉の木羽板と約1万5000個の玉石を使った日本最大級の石置木羽葺屋根。
この石は昭和39(1964)年の新潟地震など数々の地震でも落ちたことがないそう。
そして3つ目が囲炉裏の火。
囲炉裏の火を焚き続けることで、屋根を燻しています。
文化財で火を焚いているのは珍しいのですが、渡辺家の強い思いによりそれが実現。

国名勝の庭園は、座敷の、柱が重なる場所に座って眺めると、一枚の絵のような美しさ。
半日くらい時間をかけて、邸内の端々に刻まれたストーリーを聞きながら細部までじっくりと鑑賞したいですね。

隣接する、明治38(1905)年に建造された渡辺家の分家「東桂苑」へ。
昭和58年(1983)年には関川村の文化財にも指定されています。
sekikawa.org/toukeien/toukeien.html

初代当主寝室の「碁天井」。
碁が好きだった当主が寝ながらも碁の策を練っていたそうです。
邸内でコーヒー(入館料込み、サブレ付き500円)を味わったり、前日までの予約でお弁当も楽しめます。
土・日・祝日は「東桂苑そば」も登場!
渡辺邸、東桂苑、せきかわ歴史とみちの館の3施設が観覧できる共通観覧券800円もあります。
ランチは関川村の穴場、女川地区にある「古民家カフェ 元麹屋」へ。
www.facebook.com/motokoujiya

佐藤隆平さんと奥さまの恵美子さんが迎えてくれました。
店名は屋号で、その名の通りもともと麹屋を営んでいたとのこと。
明治36(1906)年建造の古民家を5年がかりで改修。作業小屋だった建物がカフェに生まれ変わりました。
到着すると、ご主人が古民家を案内してくれました。
(多忙時は見学のみ)
京都の風水師による設計も興味深い!
ランチは、カフェから車で3分ほどの場所にある光兎(こうさぎ)神社にちなんで考案されたうさぎのカレーをいただきました。

カレーは2種類あります。ナポリタンもおすすめ。

奥さま手作りのケーキとコーヒーで、食後のひとときを。
朴坂山に抱かれ、周囲に田園が広がるのどかな雰囲気。その居心地のよさに、時が経つのを忘れてしまいます。
古民家や女川地区の見どころ、カフェへの思いなど佐藤さんご夫妻から聞くお話も大きな魅力。
12月から3月は冬季休業です。
食事の後は、地酒を求めて酒屋やまさへ。

若女将の佐藤真智子さんは新潟清酒金の達人&利酒師。
店内には佐藤さんセレクトの地元村上の地酒から県内各地の銘酒、日本酒リキュール、隣県の高畠ワインなども並び、酒好きにはたまらない空間です。
この季節のおすすめは、やっぱり「ひやおろし」。
春先に搾ったお酒が夏を越しほどよく熟成したもので、「同じお酒でも、春に味わったものとはまた違うおいしさが楽しめますよ」と佐藤さん。
9蔵のひやおろしが並ぶ中でも、佐藤さんイチオシは大洋酒造の「大洋盛 紫雲」。

村上のもうひとつの酒蔵、宮尾酒造の「〆張鶴」も充実しています。

かじかの燻製とカップ酒のセットや、こだわりの県内限定酒などお土産にしたいものばかり。
お気に入りの地酒をゲットして帰路へ。
今宵はどんな料理とともに美酒をいただきましょうか。