妄想旅人、南雲です。妄想というと不思議に思うかもしれません。旅は誰とどんな想いで行くかによって旅先や行程、過ごし方が変わるため、毎月テーマを決め「こんな人がこんな人と一緒にドライブしている」という妄想で物語が進むシリーズを展開しています。
今回の旅人はこちら。
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旅人:本庄在住、独り暮らし女性34歳。昨今の世界情勢で世の中が自粛ムードになっている。友人とスノーボードに行くはずだったが友人は「今年は雪もないし、ボードはやめようよ」という。すっかりお出かけモードだったので一人でも行ってやる!と思いたち、予定通りの日程でひとり関越にのった。
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降りたのは、湯沢IC。スノーボードで来るはずだった場所だ。でも、目的は変えた。温泉に入ろう。と。湯沢の日帰り温泉はスノーボードの帰りに良く立ち寄ったが、今回はちょっとゆっくりしたい。最近は温泉旅館でも日帰り入浴ができるところがあるから、ランチでも食べながらゆっくり温泉に入りたいと思う。予定を立ててこなかったので、駅前の観光案内所に立ち寄る。

「今からで、一人なんですけど、お昼食べて温泉入れる温泉旅館ってありますか?」
事前予約、2名~の予約が多いなか、ふらっと一人でも食事ができて温泉も入れるという駅前の温泉旅館を教えてくれた。
案内所の目の前に建つ旅館で、1階はカフェと売店、2階にレストランがあるようだった。先にレストランに向かった。
レストランのメニューには魚沼名物のへぎそばや丼、むらんごっつぉ早春のランチセットなるものが並んでいる。

特製ハンバーグ、妻有ポーク低温塩糀ロースト、それともA5ランクにいがた和牛ステーキ、コース料理もある。迷った末、選んだのは「雪国の伝統の知恵」というキャッチと美しい山菜プレートの写真にひかれたウオヌマコース。

山菜プレート(桜海老のフリット・玉子焼き・胡麻かけ・越の鶏コンフィ・黄身酢かけ)。この他、春キャベツと日本海天然鮮魚 ふきのとうオイル和え、メインは選択で日本海天然鰆 山菜キャラ煮焼きまたは妻有ポーク塩糀ロースト カツレツ。魚沼産コシヒカリ塩沢地区限定一等米とお漬物、HATAGO味噌の味噌汁と越後姫とデコポンのタルト・珈琲(または紅茶)と続く。

料理についてレストランスタッフの大久保さんが笑顔で説明してくれた。ドリンクのメニューも充実していた。雪国ガストロノミー×地酒のマリアージュにトキめいた。が、今日は運転なので我慢。

甘い春キャベツと日本海の天然鮮魚の組み合わせ。ヒラメを昆布締めしたものとソイを炙ったもの。魚の身の甘さ、春キャベツの甘さ、絶妙な塩加減、昆布の香り。

メインは妻有ポーク塩糀ローストを選択。ご飯は先ほどの大久保さんがお櫃から盛りつけてくれた。若い男性が微笑みながらご飯をよそってくれるってなんて贅沢なのだろう。それだけで少し若返った気がした。

食後は、パティシエが作った越後姫とデコポンのタルトと珈琲。
いつも早食いなのだけれど、ゆっくり1時間以上かけて春の香りと味覚を楽しんだ。
雪の下から出てくる山菜には不思議なパワーがある。芽吹きの味、ほろ苦い大人の味。身体の中からデトックスされたような気分になった。今度は温泉で表面からも毒を出そう。会計のところで飲食代と温泉代をあわせて支払い、バスタオルを受け取る。

その時一枚のポスターが気になった。「雪国暮らしの研究所 山菜のひみつ。」来月23日の開催だ。来月か、休み取れたら来たいな。で、泊っていこうかな。地酒と料理のマリアージュも気になるし。

エレベーターで5階の温泉へ。食後すぐに温泉に入るのはあまりよくないので水を飲みながら、20~30分ほど休憩所で休む。

温泉は、弱アルカリ性低張性高温泉で源泉は55.2度とある。実際の温度は41~42度だろうか、とても気持ちがいい。少しつかると額にじんわりと汗がにじむ。湯口の岩には温泉成分が凝縮され、無色で無臭だが、温泉成分の濃さを感じた。
コースのランチと温泉で、リフト券より安くてゆっくり出来ちゃった。おもてなしも心地よくて、これは癖になるかも。 来月の山菜のひみつのイベントに来られるように、まずは帰ったらスケジュール調整しなくちゃ。今度は友人も誘ってみよう。
HATAGO井仙
所在地:新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢2455
日帰り入浴:12時30分~15時30分
料金:ランチ料金+500円(税別)
*タオル・バスタオルレンタル付