ニイガタドライブ酒&食担当『新潟発R』編集部の高橋です。
あの猛暑は何だったのかと思うほど、朝晩の涼やかな空気が肌に心地いい季節になりましたね。新潟の秋もこれからが本番。
今回は10月28日に「道の駅たがみ」のオープンを控え、今注目の田上町へ。
最初に訪ねたのは、秋の紅葉の名所としても知られる越後蒲原豪農・田巻邸「椿寿荘」。
副館長の山田正夫さんに案内していただきました。

入り口に建つ薬医門をくぐり、邸内へ。
田上町指定文化財の椿寿荘は、越後屈指の豪農、田巻家の離れ座敷。ちなみにこちらは分家にあたるため「原田巻」、本家は「本田巻」と呼ばれています。
「大正時代、千町歩以上の大地主は全国に9軒あり、そのうちの5軒が新潟にありました。原田巻家もその一つで、約千二百町歩、小作人は約2800人いました」と山田さん。
椿寿荘は明治30年に小作人救済事業として、日本三大名人の一人、富山県宮大工・松井角平を招聘し、構想。「できる限り豪華に」と、約17年かけて全国から銘木、銘石を集め、大正3年から約3年半かけて完成したそうです。
邸内の至るところに、それらと宮大工の技を見ることができます。

玄関の正面には岩室出身の三富与一作の画が。どちらから眺めても目やつま先が自分の方に向く「八方ニラミ」の衝立。お試しあれ。

床の間の上段の間からは、最も美しい主庭の姿が一枚の絵のように見える造りに。置き石は水の流れを表現。

畳廊下のひさしを支える丸桁は約20mの吉野杉、床には樹齢800年以上のケヤキの一枚板を使用。解説を聞きながら見学すると、その魅力がより濃く伝わってきます。
枯山水の庭園の紅葉は「11月10日頃から末頃までが見ごろです。モミジの赤、イチョウやケヤキの黄、常緑樹の緑のコントラストがすばらしいですよ」。
11月30日まで、前日16時までの予約で秋のランチを楽しめます。
http://chinjyuso-tagami.cocolog-nifty.com/blog/
昼食は田上から五泉へ抜ける大沢峠にある「そば処 こんごう庵」へ。
平成元年創業。へぎそばや力餅、山菜おこわ、きのこ汁、ところてんなど、名物多数の人気店。

名物を全部味わえる「三食弁当御膳」1408円を注文。力餅は6種類から選べます。ずんだ餅をセレクト。
山菜おこわ(648円)はテイクアウトもOK。

一本箸でいただくところてん(250円)も味わえます。(10月末まで)
そば処 こんごう庵 南蒲原郡田上町吉田新田トドメキ戌147-2
TEL.0256-57-4130 営業 11:00~14:30 無休
大沢峠まで来たので、お隣五泉市との境界にある「大沢鍾乳洞」へ行ってみることに。
https://www.city.gosen.lg.jp/hyande/2/4/2274.html

駐車場から約300m登ったところに鍾乳洞の入り口がありましたが、見学にはそれなりの装備が必要なので、今回は残念ながらあきらめることに。
次に訪ねたのは田上町の酒屋さん「藤次郎」。

専務の藤田哲也さんと奥さまのみどりさん。
みどりさんは麒麟山酒造の「ぽたりぽたりきりんざん」などのラベルの書を手掛けています。すごいですね~。

30年以上前から販売するPB「旨口 護摩堂山」は村祐酒造で製造。「村祐さんらしい味のあるタイプ。同じPBでも『辛口 護摩堂山』は南魚沼市の髙千代酒造で製造しています」と哲也さん。護摩堂山が天地人ゆかりの山城だったという縁でのコラボとのこと。

みどりさん書による、オリジナルラベルも受け付けています。特別な時にオーダーしたいですね。
店を継ぐ前に、二季、八海醸造で修業を積み、蔵元とのネットワークを育んできた哲也さん。店には県内約20蔵の多彩な地酒が並んでいます。
「うちは昔から地域のよろず屋として食品も扱ってきました。地酒も、その地の食とともに楽しんでもらいたい」との思いで、食にもこだわっています。

田上特産のタケノコを使った藤次郎オリジナルの缶詰シリーズ。お酒がすすみそうです。

哲也さんイチオシの徳永豆腐店の生あげ。豆腐も販売しています。

今宵の晩酌とおつまみを購入し、締めは日帰り温泉通の間でも人気の「ごまどう 湯っ多里館」へ。https://www.gomadouyuttarikan.com/
護摩堂山登山とセットで利用するのもおすすめです。
田上の新しい道の駅&紅葉、楽しみですね~。

◎今宵の晩酌。
藤田さんに教えていただいた生あげ料理と、椿寿荘で購入したマルヨネ(三条市)の庄内麩の唐揚げを、「旨口 護摩堂山」とともに。
(※価格はすべて税込です)