ニイガタドライブ酒&食担当『新潟発R』編集部の高橋です。
秋の紅葉シーズンを控え、
今回は県内でも有数の紅葉スポットとして知られる
新潟市江南区の豪農の館・北方文化博物館と、その周辺のお酒&味覚をチェック!
阿賀野川西岸の沢海(そうみ)集落にある北方文化博物館は、新潟県内でも上位を争う観光名所。
http://hoppou-bunka.com/
邸内を、学芸員でまちあるきガイドも務める伊里浩さんに案内していただきました。
ここは越後随一の豪農・伊藤家が築いた多彩な文化を体感できるスポット。
終戦後「財団法人 北方文化博物館」が創設され、多くの人にその素晴らしさを伝えています。
伊里さんによれば、見学のポイントは「建築、美術品、庭」の大きく3つ。

廊下のひさしを支える丸桁は、杉の一本物で長さは約60メートル。奥会津から筏で、阿賀野川を利用して運んだというのだから驚きです。
長年に渡る増改築のポイントなど、解説なしではわからないことも教えていただき、新たな発見が多々ありました。

大広間座敷からの庭園の風景は圧巻。
この石を正面に立ったとき、最も美しく見えるよう設計されているとのこと。
紅葉の見ごろは11月中旬。11月20日から4日間、ライトアップされます。

正三角形の不思議な建物「三楽亭」は書斎兼和室として建てられました。
三角形やひし形の畳も珍しい!

ランチは敷地内の「そば処 いはの家」で、「三楽亭ざるそば」を。
「おみやげ処 三楽」では県内各地の特産品を販売。
隣の「地酒館」では多彩な地酒を扱っています。地元江南区の石本酒造の「越乃寒梅」は焼酎も含め多種類あり、地酒好きにはたまりません。

そして、こちらのお酒が、なんと、邸内の藤の花から抽出した酵母を使った純米酒!
その名も「八代 伊藤文吉」(市島酒造)。
新潟大学農学部と新潟県醸造試験場の協力で実現した貴重なお酒。
限定販売です。
北方文化博物館で文化と食&酒を堪能したら、同じ沢海地区の老舗酒屋「五十嵐商店」へ。
(江南区沢海2-2-1 TEL.025-385-3167 営業8:00~19:00 日曜定休)

創業大正10(1921)年の五十嵐商店3代目の五十嵐愛子さん。はっちゃけそうな笑顔がチャーミング!
愛子さんがこの時期おすすめのお酒を紹介してくれました。

イチオシは秋限定で登場する吉乃川(長岡市)の「吉乃川 ひやおろし」。
麒麟山の「秋酒」も季節限定です。
「吉乃川 ひやおろし」と合う料理を聞くと、「この時季は、沢海特産の長いもを使った料理がおすすめ。沢海の長いもは絶品ですよ」とのこと。
沢海の長いも、チェックせねば。
五泉市の蔵元・近藤酒造の「菅名岳」も扱っています。
今年1月に開催された、恒例の「寒九の水汲み」にも参加されたそうです。
「11月6日に入荷する『菅名岳 生詰原酒 ひやおろし』もおいしいですよ~」と。
楽しみですね。
五十嵐酒店を後にし、旬の梨を求めて、いざ梨ロードへ。

途中には直売所「カガヤキ農園」があります。
現在は13時までの営業なので残念ながら終わっていましたが、スタッフの方が「これからの時季は『新之助』の新米がおすすめですよ」と教えてくれました。
もちろん長いもをはじめとする旬の野菜も。
次は午前中に訪ねます!

県道247号(沢海酒屋線)沿いは通称「梨ロード」と呼ばれ、道路脇に梨園が広がり、直売所が点在。
8月~12月頃までさまざまな種類の和梨や西洋梨を販売しています。

駒沢農園の直売所へ。
(新潟市江南区5-7-10 TEL.025-385-3046 営業9:00~16:30頃)
代表の駒沢重栄さんが梨の説明をしてくれました。
10月の「新高(にいたか)」の後登場する「新興(しんこう)」は来春まで楽しめます。大きさも味も抜群!
ふと見ると西洋梨らしきものが。
「ル レクチエ」はまだ早いはずと思い聞くと
「『マリア』という早生の西洋梨。おいしいですよ」。
後で調べてみると、山形でも栽培されている「マルゲリット・マリア」
「マルゲリット・マリーラ」などと呼ばれている西洋梨のようです。
味はルレクチエよりもさっぱり。新発見!
本格的な紅葉シーズンにまたドライブしたい、素敵なエリアでした。

◎今宵の晩酌
「八代 伊藤文吉」と「吉乃川 ひやおろし」を、五十嵐さんがおすすめしてくれた長いも料理とともに。
皮つきの長いもを輪切りにし、オリーブオイルと塩をかけ、ローズマリーで風味付けしてグリル。ハーブの風味と長いものさくさく感が、日本酒にぴったり!