妄想旅人、南雲です。妄想?と不思議に思うかもしれません。旅は誰とどんな想いで行くかによって行程、選ぶ店、過ごし方が変わってきます。「こんな人がこんな人と一緒に、こういった想いでドライブしている」というイメージで妄想シリーズを展開しております。
それでは妄想ドライブ旅、スタート。今回の旅人はこちら。
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旅人:燕在住、翔。26歳 会社員。最近付き合い始めた加奈24歳を誘ってドライブに出かけたい。
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「雪が多くてさ、早く春が来ないかなって思ってたけど3月になるともう少し冬を楽しみたかったなって思うよね。冬らしい遊びもほとんどしてなかったし。」と加奈が言う。バレンタインデーのお返しに、雪を見せてあげたくてドライブに誘った。いつもの恰好でいいけれどスノーブーツはいて来てねってお願いだけして。
関越道塩沢石打ICで降りて、ゲレンデに向かうと「今からスキー?」と驚く加奈の手を握り、サンライズエクスプレス(ゴンドラ)へ。石打丸山はスキースノーボードだけではなく雪見が楽しめるスノーリゾートだ。ゴンドラを降りてオーストリアスノーハウスでオリジナルタンブラーに入ったウエルカムドリンクを受け取り、事前にWEB申し込みをしておいたスノードームへ。

「雨がちょっと降ってきて、ゲレンデで雪見ってどうするんだろって思ったけど凄いね、家具も北欧風でお洒落。」Instagramをやっている加奈は嬉しそうに写真を撮り始めた。「一面の雪景色で街並みも見えて。なんか海外リゾートに来たみたいだよね。ねえ一緒に撮ろうよ!」と顔を近づけてきたがドームは透明なのでちょっと恥ずかしい。こちらにはお構いなしでドームの中からUPしていた。「wi₋fiも使える!」と言いながら。

暖炉のあるスノーハウスへ戻り、スイーツを食べてゴンドラで下山した。お昼食べる?と聞いたけれど、パンケーキがボリューミーだったのでまだお腹がすかず次の目的地に行くことにした。
国道17号線を通り、奥湯沢貝掛温泉へ。湯沢に来ると青空が出ていた。国道17号から貝掛温泉の看板に誘導され細く急な坂を下ると道幅の狭い橋が現れた。

「ドキドキする。私免許取ったばかりだからいまの坂道は無理かも、そしてこの橋も」と加奈。
「急な道と狭い橋だけど、大きなトラックも通れるらしいよ。」とHPに書いてあったことを言って加奈を安心させた。
「翔くん、運転上手いね!」 予想外の吊り橋効果だ。加奈の声が弾んでいた。
フロントで受付を済ませ、大浴場へ向かう。錦鯉が描かれた可愛らしい暖簾をくぐると「じゃあ、1時間後にロビーでね」と言って左手を離した加奈は大浴場へきえていった。

3月中旬でも十分雪見の露天風呂を楽しむことができた。1時間後…と言われてそんなに入るのか?と思ったものの、ぬるめの温泉なのでじっくり浸かれた。ロビーで加奈を待っていると、川魚を炭火焼きするよい香りが漂ってきた。

Twitterで調べていると今日湯沢で花火が打ち上げられることが分かった。「気持ちよかった♪ 温泉入ったらお腹すいちゃったね」と加奈。
花火までは時間があったのであれこれ揃った越後湯沢駅で時間を過ごすことにした。


お蕎麦を食べて、吊るし雛を見たりお土産物を探したり、麹らってでおしゃべりをしているうちにあっという間に時間が過ぎた。
夕方になり小雨降る中向かった越後中里駅には雪灯りとナイター照明が光っていた。

そして、霧でオレンジ一色に染まった幻想的な空が広がっていた。加奈には何も伝えず、手をつないでゲレンデを歩いた。LEDキャンドルが置かれた美しい雪台が作られ、その先に花火が上がった。

雪景色の花火は、真っ白なゲレンデを花火の色に染める。煙に包まれた空も花火の色に包まれていった。ドン・ドンと音が響く度に加奈の手がギュッと強く僕の手を握った。僕も握り返した。

花火が終わるころ、雨が少し強くなってきた。最後の花火を見終えてから車に戻り、湯沢ICから高速に乗った。それからの1時間もあっという間だった。
「今日は、ありがとう。今度は、泊りで行きたいな♡」車を降りる直前に、耳元で囁いた加奈の一言に僕はドキドキした。
【3月中旬以降の湯沢冬花火】
・3月20日(土)GALA湯沢・湯沢中里・NASPAスキーガーデン・一本杉・かぐら(田代)・中里スノーウッド・神立スノーリゾート
・3月27日(土)一本杉・中里スノーウッド
・3月31日(水)かぐら(みつまた)